会社は港区にある。
大学時代は東京の左端に住んでいて、卒業してもそこから会社に通おうと思っていた。洗面台があり二口コンロで追い炊き付き、床も壁も真っ白なシャレた部屋。家賃は65,000円で今考えるとかなりいい物件。会社までは片道1時間かかるけど、当時はその部屋が気に入っていた。
けれど、卒業する3ヶ月ほど前に会社を経営している人と飲む機会があり、彼は私に『仕事に生きるなら会社の近くに住みなさい。』と言った。
毎日仕事の後に1時間も電車に揺られるの?そんなことに体力使うなんて無駄だよ。朝も早く起きなきゃならないし、その体力と時間を仕事に回した方がいい。電車にいる時間を時給で計算してみたらわかるよ。今よりも2、3万円高い家賃を払うのを渋って、自分がどれだけ損するか。
それに、飲み会のときだって、友達と遊ぶときだって、セミナーに参加するときまで、都心に行くのがしんどいなあと感じるし、帰りの電車を気にしないといけないんだよ。
お気に入りの家を離れるのを惜しく思いながらも、彼の意見はごもっともだと、入社直前に会社の近くへ引越した。
でも最近家計簿をつけてみて、『もしかしたら安いところに住んでいた方がよかったんじゃないかな…』と少し後悔してしまったので、そんな自分を励ますために、今会社の近くに住んでいることで節約できている時間をお金に換算してみた。
前の部屋
家賃:65,000円 往復通勤時間:2時間
今の部屋
家賃:83,000円(+18,000円) 往復通勤時間:1時間(-1時間)
先月の労働時間:180時間
先月分の給与: 280,000円
…となると、だいたい時給は1,500円くらいか。
もし前の部屋に住んだままだったら、1ヶ月で22時間多く電車で過ごすことになっていた。この時間を、仕事にまわしたら
1,500(円)× 22(時間)=33,000(円)
になり、前の家賃との差分より大きくなるわけだ。
こうして数字で見てみると、ちょっと安心した。笑
今住んでいる所は会社の人は全くいないし、夜は静かで、どこで飲んでもだいたい電車で30分ほどで帰れる。前は家だけ好きだったけど、ここは街も好き。
節約はちょっと頑張らなきゃだけど、会社の近くに住んで得た時間は、有意義に使おう。毎日元気に出勤できるのも、はやく帰れてぐっすり眠っているからで、今のおうちのおかけだ。